大江戸四十八手 やりかた

ここに並んでいる「大江戸48手」は、性交における体位を日本で体系化して整理した伝統的な概念です。一説には菱川師宣(浮世絵師)のあらわした「恋のむつごと四十八手」がもとになっていると言われています。編纂のされ方によって、呼び名や順番が異なる場合がありますが、それぞれの具体的な方法について説明します。

 

01 網代本手 あじろほんて

 網代本手アイコン 最もポピュラーな体位です。女性は仰向けになって大きく開脚したら、男性は身体を前に倒し密着しながら挿入します。

 

02 揚羽本手 あげはほんて

 揚羽本手アイコン 女性を仰向けにし、その上から男性が覆い被さるようにして挿入します。その際に女性は両脚は男性の腰に、両手は男性の首に回して固定します。ここから男性が上体を起こして脚を伸ばすと「筏本手」という裏48手に変わります。

 

03 筏本手 いかだほんて

 筏本手アイコン 女性は脚を広げ、男性は脚を揃えた状態で動作を行う体位です。正常位で行う動作のうちでも、特にフィニッシュ時に適した体勢であるといえます。

 

04 鶺鴒本手 せきれいほんて

 鶺鴒本手アイコン 正常位の状態から、女性の腰を持ち上げながら胴体を宙に浮かせます。男性の膝と、女性の肘で支える吊り橋の完成です。女性側は不自然な姿勢が続くため、すこし腕力が要求されます。

 

05 寿本手 ことぶきほんて

 寿本手アイコン 女性が仰向けになり脚を拡げさせたら片脚のみ上に持ち上げます。男性は女性の脚を持ち上げながら、肘と膝を床につけた状態で挿入します。

 

06 洞入り本手 ほらいりほんて

 洞入り本手アイコン 女性は仰向けになりながらあぐらをかきます。男性は両手と両膝を床につきながら挿入します。女性のあぐらのかき方によって挿入角度等が変わるので、お互いの具合が良いところを探しましょう。

 

07 笠舟本手 かさふねほんて

 笠船本手アイコン 男性は挿入時に体重をかけ、仰向けになった女性に対して前のめりになるよう挿入します。このことで女性の身体をより刺激することができます。

 

08 深山本手 みやまほんて

 深山本手アイコン 正常位の姿勢から、女性の両脚を男性の肩のうえにのせます。このまま男性が膝立ちになると完成です。体位を変えるのが容易、結合部が見える、挿入が深くできるなど、初心者がいろいろ試したいときにすすめられる体位です。

 

09 入船本手 いりふねほんて

 入舟本手アイコン 正常位の状態から、女性の腰を持ち上げながら胴体を宙に浮かせます。男性の膝と、女性の肘で支えることになります。女性側は不自然な姿勢が続くため、すこし腕力が要求されます。

 

10 唐草居茶臼 からくさいちゃうす

 唐草茶臼アイコン ゆるい胡坐の状態で座る男性の上に女性が跨ることを「居茶臼」と呼びます。胡坐をした状態の男性は動きがやや不自由になるため、上位にある女性が主導権を握ります。

 

11 忍び居茶臼 しのびちゃうす

 忍び茶臼アイコン 男性は脚を伸ばした状態で座り、後ろに両手を回したら床に手をつくか、あぐらをかきます。女性はその男性の上に座るようにして挿入します。女性が男性にしがみついて動作すると良い刺激が得られます。

 

12 濵千鳥 はまちどり

 濵千鳥アイコン 膝を折って仰向けになった女性に、正常位の形で男性が挿入します。女性側にかなりの柔軟性と体力が必要になります。女性の脚が常に閉じた状態で男性側は会館が得られやすいですが、女性の動作はかなり制限されるためあまり長く続けることはできにくいです。

 

13 横笛 よこぶえ

 横笛アイコン 男女とも横向きになりますが、女性は開脚し、男性は女性の片脚に乗かって挿入します。そのとき女性は密着するように男性の首元に抱きつき、男性は女性の腰やお尻等を掴みつつ動作します。

 

14 こぼれ松葉 こぼれまつば

 こぼれ松葉アイコン 「松葉崩し」は交差して挿入する体位のうちでも最も有名な言い回しですが、この体勢から回転して挿入時の方向や角度を変えてゆきます。

 

15 菊一文字 きくいちもんじ

 菊一文字アイコン 女性は目いっぱい脚を大きく広げて、仰向けになった男性の上に跨ります。深い挿入が可能になるだけでなく、視覚的な刺激もじゅうぶん受けることができる比較的激しめの体位といえます。

 

16 浮橋 うきはし

 浮橋アイコン 男性が後ろから挿入したあと、そのまま女性が横向けに寝ころびます。男性は体勢が変わった女性を両手で抱えたまま、お互いに腰を動かします。前後左右と比較的自由に動くことが出来る体位です。

 

17 八重椿 やえつばき

 八重椿アイコン 女性は横向きになって拡げた脚の片方のみ膝を立て、上体を男性の方に向けます。男性は女性を抱え込みながら挿入します。裏48手の中でも女性に評判の良い体位です。

 

18 つばめ返し つばめがえし

 つばめ返しアイコン 男性が後ろから女性に挿入したあと、女性の片方の脚をツバメの尾羽のように上に引き上げます。難しい体位ではありますが、結合部分が見える視覚的な刺激と、深い挿入か可能となります。

 

19 万字崩し まんじくずし

 万字崩しアイコン 男性は軽く脚を広げて座り、女性は後ろ向きで男性の上に座り挿入します。このとき卍型に見えていた女性の体勢が崩れることでこの名がつけられました。

 

20 出船うしろ取り でふねうしろどり

 出船後ろ取りアイコン 後背位のことを「うしろ取り」と言います。女性は前かがみになったところへ、男性が後ろから挿入します。男性の動作がしやすい体位で、お互いが丸まるように一体化できます。

 

21 潰し駒駆け ほんこまがけ

 潰し駒掛けアイコン 女性が四つん這いにって男性に向かい突き出したお尻に、男性は膝立ちをしながら挿入します。男性は女性の腰を持ちながら動作したり、お尻を叩くことも出来ます。

 

04 本駒駆け ほんこまがけ

 本駒駒掛けアイコン 体育座りをした男性の上に、女性は後ろ向きになって腰掛けながら挿入します。深い挿入が可能な体位で、女性の満足感が高まります。

 

23 〆込み錦 しめこみにしき

 〆こみ錦アイコン 男女が向かい合って、女性が上の状態で挿入する24番「〆込み錦」の状態から、女性は後ろ向きのまま上体を前に倒し、男性は手を床につけて安定させながら上体を起こします。

 

24 〆込み千鳥 しめこみちどり

 〆こみ千鳥アイコン 男性が仰向けになって女性は男性の上に乗り挿入しますが、女性の身体の方向は男性と向かい合う形です。22番「月見茶臼」」とは男女の見る方向が違います。

 

25 うしろ櫓 うしろやぐら

 うしろ櫓アイコン 男女とも立ったまま、女性は手を前につき、男性は後ろから挿入します。時に抜けやすいので、女性は臀部をなるべく後ろに突き出す必要があります。野外でよく採用される方法です。

 

26 亂れぼたん みだれぼたん

 亂れぼたんアイコン 座った男性の上に、女性は脚を拡げて跨ります。男女とも同じ方向を向いているため、鏡の前だと視覚的な刺激が得られます。男性は行動が制限されるため、女性側が積極的に動くことが出来ます。

 

27 本茶臼 ほんちゃうす

 本茶臼アイコン 男性は仰向けになって、その上から女性が覆いかぶさるように挿入します。挿入後、女性は身体全体を前に倒して動作します。男性との密着性が高い体位です。

 

28 茶臼のばし ちゃうすのばし

 茶臼のばしアイコン 男性の上半身に女性が上から抱き着くように乗ります。女性は脚を伸ばしながら、男性の脚の間に入ります。やや動きづらいですが、相手の顔を見ながら行うことのできる体位です。

 

29 時雨茶臼 しぐれちゃうす

 時雨茶臼アイコン 仰向けになった男性の上に女性が跨る体位です。女性側が主導権を握れることができます。男性側もより深い満足感を得るために、下から突き上げることに努めることが大事です。

 

30 機織茶臼 はたおりちゃうす

機織茶臼アイコン 男女が手をつなぎあい、膝を立てている体勢が、機織りをしているように見えることから名づけられました。手をつなぎあうのはお互いの感情を実感することができます。

 

31 御所車 ごしょぐるま

 御所車アイコン 仰向けになった男性の上から挿入を行った女性は、そのまま脚をM字型に開いてぐるぐると回ってゆく体位です。回っている間は抜けてしまわないよう中止が必要なので、上級者向きといえるかもしれません。

 

32 月見茶臼 つきみちゃうす

 月見茶臼アイコン 男性が寝転びながら、後ろから挿入する体位です。二人とも同じ方向を向いているので、窓から月を眺めることができることからこの名がつけられました。横向きのため密着はできるのものの抜けやすくもあるため、あまり激しくはしたくない時にすすめられます。

 

33 寶船 たからふね

 寶船アイコン 女性は仰向けになった男性の片脚を持ち上げ帆のように立てます。これを支えに女性が男性に跨って挿入します。有名な22番「松葉くずし」の女性上位版とも言え、女性が主導権を握ることができる体位です。

 

34空竹割 からたけわり

 空竹割りアイコン 女性は脚を真っすぐに伸ばしきり、その上から男性が跨って挿入します。女性への刺激がもっとも強くなることから、裏48手の中でも女性に好評の体位です。

 

35 しがらみ しがらみ

 しがらみアイコン 正常位で挿入したあと、女性は脚を閉じてまっすぐに伸ばす体位です。相手に覆いかぶさる形で密着度が高まるので、まだ恥ずかしさを感じる人女性にすすめられます。

 

36 筏くずし いかだくずし

 筏くずしアイコン 両脚が真っすぐ揃っていることを「筏」と表現します。揃えた脚を崩して挿入するのが筏崩しです。せめぎ合う感覚を味わうことが出来ます。

 

37 廓つなぎ くるわつなぎ

 廓つなぎアイコン 女性が片膝を立て、もう一方を広げたところに男性がX形に乗りかかって動作します。廓繋ぎとは模様の一種で、この体位に見立ててあります。

 

38 かげろう かげろう

 かげろうアイコン いわゆる69の状態から、上にかぶさっている男性が女性のつま先方向に移動して挿入します。通常の挿入の角度とは反対になるので、普段とは異なる感覚が得られますが、難易度の高い体位です。

 

39 きぬた きぬた

 砧アイコン 女性は仰向けの状態から膝を曲げ、両手で腰を持ち上げるか、腰の下に枕などを置いて床から浮かせます。男性は女性の上に座るような姿勢で挿入しますが、長時間続けるにはやや辛い体位ではあります。

 

40 狂ひ獅子 くるいしし

 狂い獅子アイコン 向かい合って座り、女性は高く足をあげて男性の肩の上に置きます。女性はひっくり返らないよう後ろ手で体重を支えましょう。男性には筋力、女性には柔軟性が求められる体位です。

 

41 花菱ぜめ はなびしぜめ

 花菱アイコン 仰向けになった女性の脚を持ち上げ、そのまま男性が女性を刺激します。挿入を伴わない体位です。女性の腰の高さは、腰の下にクッションなどを置くことで調整することができます。

 

42 雁が首 かりがくび

雁が首アイコン 女性が男性に対し口で行う行為のこと。男性の脚の間に女性が入るのが一般的ですが、決まった体位というものはありません。これは挿入を伴わない体位の呼び名です。

 

43 椋鳥 むくどり

 椋鳥アイコン いわゆる69の体位のうち、特に男性が上側になる状態のことです。男性側は動きやすくなるため、あまり体重をかけすぎないなど、下側にいる女性への配慮が必要になってきます。

 

44 白光錦 びゃっこうにしき

 白光錦アイコン 女性は身体の下に枕などを置いて腰を浮かせ両脚を開きます。男性は目の前の女性を自分の手を使って刺激します。挿入する体位ではなく、あくまで手だけを使う方法です。

 

45 さかさ椋鳥 さかさむくどり

 さかさ椋鳥アイコン いわゆる69の体勢ですが、女性が上側になります。43番「椋鳥(むくどり)」の逆のバージョンです。男女の位置は時々入れ替えて楽しむのも良いかもしれません。

 

46二ツ巴 ふたつどもえ

 二つ巴アイコン 俗に69と呼ばれる体位で、挿入を伴いません。寝転がった一方の上に、逆方向でもう一方が乗るかたちでお互いを刺激しあいます。ただし身長差があまりにもありすぎるとやや難易度が上がります。

 

47 立鼎 たちかなえ

 立鼎アイコン 男女が立ったまま向かい合って挿入します。男性は女性の片足を持ち上げ、もう一方の手で抱き寄せると転ばずに安定します。体位の関係で刺激はやや得づらいですが、場所を選ばないという利点があります。

 

48 やぐら立ち やぐらだち

 やぐら立ちアイコン 男性は肩幅くらいに脚を広げて立ちます。女性を抱え上げたら女性の脚の下から腕を通して腰を持ちながら動作します。有名な言い回しで換言すると「駅弁スタイル」とも呼ばれますが、なかなか筋力の必要な体位です。

 

裏四十八手 やりかた (一部)

01 俵だき本手 たわらだきほんて

 俵だき本手アイコン 仰向けになった女性の前で男性は膝立ちをます。男性は女性の腰を持ち上げて挿入します。深い挿入が可能な体位なので、遅くなり気味の男性に適している体位でもあります。

 

02 浮島本手 うきしまほんて

 浮島本手アイコン 男性は片手を床につき女性を引き寄せますが、女性は男性の首に手を回して、落ちないようしっかりしがみつきます。この状態で男性は動作を行います。

 

03 つるべ落し本手 つるべおとしほんて

 つるべ落とし本手アイコン まず男性は膝で立ちます。この状態で女性の両脚を閉じたまま持ち上げたら、自分の肩に女性の両脚をひっかけて挿入します。プロレス技のように筋力のいる体位です。

 

04 だるま返し だるまがえし

 だるま返しアイコン 正座した女性の脚を縄で縛ることで、手足のない達磨のような状態にして自由を奪います。この体勢で女性の脚を持ち上げて挿入します。緊縛に関心がある場合、比較的かんたんに実行できる体位です。

 

05 地蔵抱き じぞうだき

 地蔵抱きアイコン 男性が椅子に座った上に、女性が覆いかぶさるように座ったかたちで挿入します。真正面で抱き合うことができるので、密着度の高さを求めたいときに適しています。この姿勢のまま立ち上がると、いわゆる駅弁となる姿勢です。

 

06 鳴門後ろ抱き なるとうしろだき

 鳴門後ろ抱きアイコン 座った男性の上に女性が跨って挿入しますが、女性は脚を開いて鳴門の渦潮のように円を描く体位です。腰を交互に振る運動ではなく、擦り付けるようなかたちで行います。

 

07 いすか取り いすかどり

 いすか取りアイコン 女性は両脚を閉じた状態で、くの字を書くように横向きになります。このまま男性は女性の後ろ側から挿入します。女性の身体に刺激が特に加わりやすい体位です。

 

08 裾野 すその

 裾野アイコン 女性がうつ伏せになり一方のひざを曲げながら開き、もう一方の脚は伸ばします。ここで男性は女性の後ろから挿入します。うまく挿入できれば、一層深くまで達することが出来ます。

 

09 座禅ころがし ざぜんころがし

 座禅ころがしアイコン あぐらをかいた状態の女性を前に倒しながら男性が後ろから挿入します。男性からは女性の身体の部分が丸見えになる体位です。

 

10 押し車 おしぐるま

 押し車アイコン 四つん這いになった女性の両脚を、男性が持ち上げます。立ち上がったままの男性がこのままの状態で挿入すれば完成です。見た目が組体操の押し車のようであることが命名の理由です。

 

11 花あやめ はなあやめ

 花あやめアイコン 四つん這いになった女性の広げた脚の間に、男性は仰向けになって下から潜り込みます。この状態で女性の中心部を口で刺激し続けます。男女とも安定した姿勢なので長く続けられます。

 

12 下がり藤 さがりふじ

 下がり藤アイコン あぐらをかている男性の上から、女性が大きく開脚して挿入する体位です。女性の体重が男性にかかるため、男性に負担は大きくかかりますが深い挿入が可能です。

 

13 流鏑馬 やぶさめ

 流鏑馬アイコン 馬に跨るような姿勢を騎乗位と呼びますが、この際に女性が男性の首に紐をくくりつけて挿入します。通常の騎乗位に比べ力が入れやすくなります。また、男性を馬としてみるこの体位は、精神面での刺激も得られるかもしれません。

 

14 鵯ごえ ひよどりごえ

 鵯ごえアイコン 四つん這いになった女性に対し、膝をついた姿勢の男性が後ろから挿入します。動物の交尾と同じ姿勢です。深い挿入が可能で、男性側の女性に対する支配感を感じることのできる体位です。

 

15 八つ橋 やつはし

 八つ橋アイコン 女性は仰向けなって片脚を上げて広げます。男性は女性の上げている脚側に横向きで密着して挿入します。お互いの良い点を探りながら行える横向きでの挿入方法です。

 

16 丁子引き ちょうじびき

 丁子引きアイコン 女性の片足の上に跨り、もう一方の足は伸ばした状態をキープして抱きかかえながら動作します。女性がやや不安定になるので男性はしっかり支えます。

 

17 巣ごもり すごもり

 巣ごもりアイコン 女性は横向きになって膝を曲げ、男性は女性の片脚を持ちながら挿入します。男性は挿入しながら女性の身体に口で刺激を与えます。

 

18 虹の架け橋 にじのかけはし

 虹の架け橋アイコン 男性はあぐらをかき、その上に女性を横向きで乗せ、抱きかかえながら挿入します。いわゆるお姫様抱っこをしながら挿入する格好です。

 

19 絞り芙蓉 しぼりふよう

 絞り芙蓉アイコン 座った男性の上に女性が後ろ向きになって跨ります。14番「乱れぼたん」では男女が向かい合わせますが、ここでは同じ方向を向くことになります。男性の動きが極めてとりづらく、女性の主導が必要です。一方で、積極的になりたいけれども面と向かうにはまだ恥ずかしさの残る女性には向いています。

 

20 石清水 いわしみず

 石清水アイコン 男性の顔の上に女性が跨ります。これは挿入を行わない体位ですが、触覚や視覚上で普段は得られない刺激が得られます。いつもの行為では飽きがきて悩んでいる方に勧められます。