一部のED治療薬について、限定的な健康保険適用のお知らせ

バイアグラ、シアリスの処方について、令和4年4月1日より、健康保険の適用が特定の条件(不妊治療にかかわる)に基づいて始まりました。ただし、不妊治療の一環としての処方であることから、この目的外では健康保険の適用がされないこと、診察料が別途かかること、処方量や処方を受けられる医療機関も限られるため、不妊治療を受けておられない方は引き続きED専門外来などで処方をお受け下さい。

-不妊治療に対する政府の取り組み-

子どもが欲しいと望んでいるにもかかわらず、子どもに恵まれない夫婦はおよそ5.5組に1組あるといわれており、不妊治療を受ける夫婦は増加しています。しかし不妊治療はこれまで保険適用が原則されず、治療費が高額であることから、子どもを持つことを諦めざるを得ない場合も少なくありませんでした。そこで、この治療を受ける夫婦の経済的負担を軽減するための取り組みが行われてきました。

不妊治療への支援について政府は、少子化社会対策大綱において、不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、適応症と効果が明らかな治療に医療保険の適用を検討し、その支援を拡充するために、社会保障審議会医療保険部会において、令和4年4月1日から保険適用を実施することとなりました。

これに併せて、令和4年度診療報酬改定による不妊治療の取扱いに関して、不妊治療で使用される医薬品についても、原則として、薬事承認の効能・効果、用法・用量の範囲で使用する場合には保険適用となります。これに伴い、バイアグラ、シアリスについて以下の条件で処方が受けられるようになります。

-薬価基準の一部改正に伴う留意事項について-
バイアグラ錠25mg・50mg、バイアグラODフィルム25mg・50mg、並びにシアリス錠5mg・10mg・20mg
バイアグラ・シアリスについて、保険適用の対象となるのは、勃起不全による男性不妊の治療を目的として、以下1)~7)の全ての要件を満たした場合に限られる。

1) 本製剤の投与を行う医師は、原則として、泌尿器科について5年以上の経験を
有すること 。
2) 他の医療機関において不妊症に係る診療が行われている患者に対し、紹介を受けて本製剤を投与する場合は、紹介元の施設と連携し必要な情報共有を行える体制を有すること。
3) 本製剤の投与に際して、関連学会が作成した勃起不全に関するガイドラインに従い、勃起不全と診断された患者であること。なお、その旨を診療録に記載すること。
4) 本製剤を投与される患者又はそのパートナーのいずれかが、本製剤の投与日か
ら遡って6か月以内に、該当する医学的管理を受けていること。
5) 本製剤の投与にあたっては、その数量は、1回の診療につき、タイミング法に
おける1周期分に限り、かつ、4錠以下であること。
6) 本製剤を繰り返し投与する場合は、投与の継続期間は6か月間を目安とするこ
と。6か月を超えて投与を継続する場合は、継続の必要性を改めて検討すること。
7) 本製剤を保険診療において処方する場合、処方箋の備考欄に、保険診療である
旨を記載すること。

不妊治療で使用される医薬品の保険給付上の取扱いについて(厚生労働省・日本語のみ)→